【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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宇宙で一番大好きな人がいた。ずっと、ずっと、ずっと、私の一番大切な人で尊敬する人だった。私にとって「敬愛」という言葉は彼のためにあった。敬い、愛する。まさにその通りだった。

私の中に数々の名言を残していった彼は誰よりも高い人でそして孤独だった。誰も必要としてなかったように見えた。それでもやっていけるくらい彼は強かった。誰よりも。そんな彼が唯一心を許していたのが高校時代からの戦友。性格は真反対だったけど、二人ともこの上なく優秀な人間で、私はこの二人の関係が羨ましかった。戦友の結婚式で号泣する彼の姿を見て、「私もいつかこんな相方を見つけたい」と、子供心に思った。あの涙は今まで見た涙の中でもトップクラスに美しかった。

とにかく彼に追いつきたくて、認められたくて、私は必死だった。色々悪いことはしてきたけど完全に道を踏み外さずに済んだのは間違いなく彼のおかげだと思う。昔から副流煙にまみれてきた私が未だに一本も煙草を吸っていないのも。彼はヘビースモーカーだったので喫煙してるところをよく見ていた。「大人になったら私も煙草吸いたい!」という私に「だーめ、煙草吸う女の子は可愛くないよ」と言ったその一言を長年守り続けている私の健気さはそろそろ報われてもいいと思う。

こうやって書くと彼は良い人に見えるかもしれないけれど私はそこそこキツイことを言われて育った。宇宙で一番大好きな人から自分を、そして夢や希望を木っ端微塵に否定されながら10代を過ごしていた。けどおかげで早い段階で私は底辺的な存在なのだと気付くことが出来た。底辺中の底辺なら、あとはもう上がるだけだ、と。努力すれば良いだけなので楽だった。

書きたいことは山ほどあるのだけれど、一旦この程度にしておく。昨年彼に言われた言葉でメモしておいたものが見つかったので10回目の記事に載せることにした。迷える誰かの救いになりますように。

 

人生なんて基本的に最低最悪なもので、けどその中にたまにあるハッピーのために生きる。その幸せが今後もあるかもしれないし、ないかもしれない。 ただ一つ言えることは、 今悩んでることすら幸福だということ。 今悩んでる、それはお前が自由だということ。 誰が見ても真っ暗な選択をしないためのお勉強でしょう。 そういう選択以外なら何を選んでもいい。 つまり、お前は自由。

 

それでは今日も最低最悪な人生を生きましょう。