【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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正直なんで自分がここまでダメージ受けているのかがよく分からない。たしかに好きだった。それでも、分からない。多分最近色々あって、積み重なっていたところにさらに追い打ちがきたからなのだろうと推測する。夜中も、起きてからもふとした瞬間に涙が出てくる。自分でも不思議だ。

20代前半は特に気にしていなかったけれど、ここ2~3年、特に30歳を目前にしていきなり大人の色気が出てきて格好良くなったなと思った。誠実な人柄と役者としての幅の広さ、そして前を見据えるような眼差し。純粋にこの先が楽しみだった。どんなインタビューでも、ひとつひとつ丁寧に自分で言葉を紡ぎだすところが素敵だと思った。物事を深く見つめる思慮深さのある人だと。同時にすごく感性が豊か…というか繊細さと危うさがある人だと感じた。今年の春の話。訃報を聞いた時に驚いたと同時に「だめだったか」とも思った。5月に亡くなった若い女性のことも思い出す。彼女はどんな気持ちで「有毒ガス発生中」という張り紙を書いたんだろう。彼はどんな気持ちで準備を整えたんだろう。前日は何を思いながら過ごしたんだろう。最期に何を食べたんだろう。もう腹を決めたのなら、温かい布団でぐっすり眠れたのだろうか。自ら死を選んだ人の話を耳にするたびに、その人の人生最期の希望が叶って良かったと思う。本当に本当に、みんなが救われていますように。

午前中も時折ぽろぽろ泣いていたが、昼から久しぶりに高校の同級生に会った。間違いなく高校時代の1番の友人だったのに2年近く会っていなかった。パフェを食べながら、近況を話す。お互いの仕事のことや家族のこと、恋愛のこと。その友人は人に言えないような恋愛を長い間していて、ほとんど友人にすら話せないでいるらしい。その話をしながら「私は睦月の真っすぐで正しいところが好き。だからこそ睦月にこの話をしたら絶縁されると思っていた。それが怖くて誘えなかった。」と言われた。「そうだろうなと思った。その線も考えなかったわけじゃない。だけどこれまで長い付き合いがあって互いの辛い時期を支えあってきた人をそんな理由で切れるほど、私は割り切れる人間じゃなかった。あなたはやっぱり特別だよ。」と話したら、目の前で泣かれたので私はけらけら笑った。そのあとはアクセサリーを見たり、服を見たり、いつも通りのことをした。楽しかった。今日みたいな、訳もなく涙が出る日に会ったのがこの子でよかったと思う。