【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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10年ぶりくらいに花火を観に行った。人混みが嫌いで花火も大して興味ない二人で、なぜか行ってきた。打ち上がるひとつひとつの花火に、この街の夜空は爆破された。その爆破はとてつもなく綺麗で、そしてダイナミックで、私もいつかこんな壮大で美しいエンターテイメントをしてみたいと思った。きっとあの花火の下には、どうか綺麗に開いてくれと祈りながら導線に火を着けている人や、この日のこの1時間のために動いてくれた大勢の運営関係者や、何より日本の伝統文化を今この瞬間も確かに受け継いでいる職人の方がいらっしゃるんだろうと思うと、沸き上がる観客の歓声を聞くたびに「よかったね、届いてるよ、貴方達の想い」という気持ちになってしまった。

エンターテイメントって大変なんだ。たった数分の簡単なプログラムを届けるにしても、緻密な計画が必要だし、楽しくて当たり前、しょぼくなくて当たり前の世界だからそれを超える感動を届けるとなると、より高度な演出や技術が求められる。人を笑顔にするということは、人に感動を届けるということは、思っているよりもずっと難しい。

待ち時間も長かったし、人も多かったし、すごくすごくすごく疲れたけれど、行ってよかったと思った。芸術や文化は美しいです、本当に。このお祭りに関わったすべての関係者様に、「ありがとうございました、本当に素晴らしかったです」と伝えたい。