【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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仕事を納めた。あまり納まった感じはしないけれど、クリスマスを過ぎたあたりから突然みんなが使い始める「よいお年を」という言葉を例にもれず何回か使ったので多分年末なんだと思う。そういえば街が静かだ。

先日職場の忘年会があったので参加させてもらった。そこで酔った先輩から「睦月さんは今年どんな一年だった?」と聞かれたけど、何も答えられなかった。なんて答えたらいいか分からなかった。

嬉しいこと、楽しいこと、おなかを抱えて笑ったこと、心がほっと温まったこと、心から感動したこと、多分沢山あったはずなんだ。この一年。色んなことが変わった年だった。けど何も思い出せない。10月24日のあの報せがすべてを吹き飛ばして、全体がモヤかかっているまま年末を迎えた。楽しい忘年会でそんなこと言えるわけないし、そうなると本当に言葉が出てこなかった。適当に「良い一年でしたよ」っていうのが限界だった。なんにも覚えてないけど。それが12月22日。

そして週末を挟んで12月25日。クリスマス。あまり詳しくは書けないけれど仕事で色々あった。勤怠は22時で切っていたけれど最後終わったのは夜中の2時半。用意していたチキンもケーキも食べることが出来ないまま26日を迎え、最後は気持ちが抑えきれず通話を切ってから涙が止まらなかった。

翌日は出社しなきゃいけない日で、私は当然行きたくなかったのだけれど、ベッドでぼーっと動けずにいたらチャイムが鳴った。先日頼んでいて、ちょうどその日届く予定だったBUCK-TICKの円盤が朝イチで届いた。いつも昼前に来ることが多いのに。「ああ、あっちゃんに”行ってらっしゃい”って言われてるな」と思ってギリギリの状態で動けた。目がぱんぱんに腫れていてコンタクトが全然入らず、社内打ち合わせに初めて少し遅刻してしまった。後輩、ごめん。

26日以降も25日の件でだいぶバタバタしており、あまりきれいな仕事納めにはできなかったけれど何とか仕事を納めて28日はレディクレに参加してきた。私の好きなバンドが複数出る日だったのだけれど、奇跡的にすべて同じステージで、しかも続けて行われたので目当て全部観ることが出来た。本命ではなかったけれどLUNASEAをあの距離(2列目中央)で観れたことは、私の人生の運半分くらい消費したのではないかと思う。あの河村隆一を、SUGIZOを、Jを、INORANを、真矢をあの距離で観れたって、いまだに信じられない。

人生なので最悪なことは度々起きるし、ただでさえペシミスト気味なのでその度に「ああ死んでやる」と思ってるんだけれど、同時に『私を死なせない何か』に守られてる人生だなとも思う。今回だったら、深夜2時半まで付き合ってくれた先輩、翌日昼休憩中に電話する時間を作ってくれた元上司(私が大好きな人)、特に何も言ってないのに26日ずっと一緒にいて沢山笑わせてくれた後輩、沢山迷惑かけたのに全部肯定して受け入れてくれた上司。「よしよしなんてされたくないし!(泣いちゃうから)」とすっかり意固地モードに入った私をすっぽり包んでくれるような温かい人達が周りにいてくれた。あとはBUCK-TICKの円盤があのタイミングで届いたのも、例年なら行ってないレディクレに行くことになっていて、そこで各バンドで私が1番好きな曲たちを聴けたことも、最後に今年旅立った最高のミュージシャンたちへ『満月の夕』を捧げる時間に居合わせられたことも、全部、今年だったから起きたことだと思う。

そして29日のバクチク現象2023。あっちゃんが旅立ってから初めてのBUCK-TICKのステージ。そこで今井さんが言った「泣いてもいい、悲しんでもいいけど、苦しまないで。あっちゃんが生きていたことを大切にして」という言葉で、ああ、まだ悲しんでもいいんだって思えた。一年の最後にその言葉に救われた。あっちゃんと同い年で、あっちゃんと誰よりも同じ時間を過ごした今井さんが言ってくれたから救われた。

そしてその翌日の今日30日、B’zから誕生日カードが届いた。B'zはBUCK-TICKよりもバンドとしては1歳上で、年齢もあっちゃんの2~3つ上。そんな2人から、要約すると「あなたは素敵だ、思いっきり生きろ」と書かれたメッセージが届いた。ちなみにこれも、普段ならFCには入らないのに今年の9月の私が思い付きで入ってくれていたから届いたもの。不思議な巡りあわせだ。

私自身は何にもないどうしようもない人間だけど、私の周りの人は、環境は、いつも温かいなと思う。悲しい時に触れる音楽も、文章も、全部温かい。

色んな思いを抱えたまま2023年を終えると思う。そんな年もあっていい、と思いたい。

 

 

今年一年関わってくれた皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
よいお年をお迎えください。

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