【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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幸か不幸か2つのギフトを持って生まれてきた。絶対音感共感覚絶対音感は多分言わなくても分かる人が多いと思うが、共感覚についてはなかなか理解されない。私の場合は音と色が結び付く。あと時々映像。人によっては数字と匂いとか、そういうのもあるらしい。これは本当に理解されない。

絶対音感は音楽をやっていた時は便利だった。吹奏楽の楽器は楽譜上は同じところにおたまじゃくしがいたとしても鳴る音が「ド」だったり「シ♭」だったり「ミ♭」だったりする。けど私は全部を耳で聴き分けられたから楽譜が読めなくても音で分かった。これは指揮者として全体監督をする時にとても役立った。聴けば鳴らせるのでプレーヤーとしても使い勝手は良かったと思う。実際私の楽譜が元のままだったことなんてなかった。大体どこかの助っ人をしてたから元の楽譜とは全く違うものを吹いてた、なんてこともザラにある。ドレミの基準が頭にあるからアカペラで歌うのもお手の物。確率にして1000人に1人。私にはドレミがドレミと聴こえない世界が分からない。

音楽をやってる時は良かったんだけど、辞めてからは私を苦しめる要因の一つでもある。喫茶店でゆっくり本を読もうにもBGMでジャズやピアノを鳴らされると忽ち駄目になる。自分が本を読もうとしてる隣で別の本を音読されてる感じ。集中出来るわけない。夜眠れなくて落ち着くために音楽を聴こうにも同じ現象が起きる。落ち着けるわけない。けれど交感神経は落ち着くから私はよく聴いてるんだけど、寝るのは大体諦めることになる。ふと夜中に目覚めた時に耳に入ってくるエアコンの音もそう。だんだんミ♭に聴こえてくるから堪ったもんじゃない。

共感覚は私もよく分からない。そこまで強くないのが救いだけど、小さい頃はよく変人扱いされた。ORANGE RANGEでもスマップでもV6でもないのに「オレンジの曲!」なんて言うんだから、まあ仕方ない。けどあまりにも理解されなさすぎて子供の頃はよく傷付いてた。今も時々「藍色だ」とか「黄色だ」とか言うことあるんだけどそういうことなのであまり気にしないでほしい。「何黄色の音楽って」と思いながら聴いてくれればもしかしたら貴方の世界を彩るお手伝いが出来るかもしれない。

要するに何が言いたいかと言うと、ギフトを持って生まれてきた人間が全員他の人より幸せかと言うとそういうことはない。持ってしまったが故の苦しみもあるので、ただ闇雲に妬まないでおくれよ、というのを過去の私の周りの人たちに伝えたい。喫茶店で本を読めるのが羨ましいよ。ただそれでも他の人にはないものを持って生まれてきたので神からの賜り物だと思って生きるけど、私は時々神様を恨んでしまう。ギフトを生かすも殺すも自分次第で、結局人生なんてものはいくらでも修正効くからガシガシ修正していくしかないんだなと思う日々。

 

おわり。明日からもそれぞれの孤独を生きましょう。私たちはどうせひとりだ。