【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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本当に大好きだけど付き合っても上手くいかないだろうなと思ってずっとずっと好きなまま何もしなかった相手がいた。ずっとずっと好きだったけど、上手くやっていける気がまるでしなかった。私はきっと彼を傷付けるし、そして彼に傷付けられる。そう思わせられるくらい、根本的なところが合わなかった。けれど、大好きだった。

 

そんな彼とひょんな事で絶縁状態になる。絶縁になるくらいだから全然ひょんなことではないのだけれど、「お前なんか大嫌いだ」と言われたし、私も言った。あんなに泣いたクリスマスは初めてだった。もう、完全に終わったと思った。

 

しかしひょんな事で別れた関係は、ひょんな事で戻る。その後、私たちは偶然再会してしまう。「ずっと連絡しようと思ってた」と言われた時、心の中の雪がザーッと溶けていく気がした。あの頃学生だった私たちは社会人になっていた。

 

そのあと一緒に映画と食事に行く約束をする。女の扱い方なんてまるで知らない人だった彼は、私をすごく丁寧に扱ってくれた。お店の予約なんてしてくれる人じゃなかったじゃない。上座なんて知らなかったじゃない。そして食後、私の街を象徴するホテルの外観を眺めながら「私、いつかあそこ泊まりたいんだよね」という話をしたら「ああ、結構綺麗だったよ」と彼は言った。

 

誰と行ったのかなんて聞かなかった。

2年の時が経っていた。