【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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百貨店の洋菓子売り場で働いていたとき、一番好きなのがこの季節だった。クリスマスイブ。売り場は仕事終わりのパパサンタたちで溢れかえる。一生懸命ケーキを選ぶ人、とりあえずホールのクリスマスケーキを注文する人、スマホの恐らく家族からのリクエストを見ながら注文する人。「ろうそく、お付けしましょうか?」と聞くと一瞬悩んで「はい、お願いします」と返す人は、その一瞬の間にどんな景色を想像したんだろう。売り場に溢れかえるパパサンタたちの共通点は「わざわざ仕事終わりに家族にケーキを買って帰る」ということだ。普段百貨店の洋菓子売り場で買い物なんてしない、むしろ客先への手土産を部下に百貨店へ買いに行かせているであろう人たちで溢れかえる、少し奇妙な夜。とても微笑ましくて、私は大好きだった。どうか待っている家族が笑顔でケーキを食べてくれますように。そして皆が幸せに包まれますように。ハッピーホリデー、メリークリスマス。

明日からもう一気に年末。百貨店では今日の夜が大忙し。クリスマスの処理もあるのに売り場を正月モードに切り替えなければならない。こんなにバタバタするなら輸入系のイベントはなくせばよくない?と思わなくもないんだけど、商売的にはそうもいかないらしい。年末の慌ただしい雰囲気はあまり好きじゃない。どこ行っても人多いし、なんかバタバタしてるし。私はもっとゆっくり冬を堪能したいのに。まあいいんですけどね。早く年明けて落ち着いてほしい。冬の静けさが好き。

特に中身はなかった。それはいつもか。なんとなく更新しようと思った。それだけ。