【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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ドラマ『ギルティ』の再放送が某動画配信サービスでされていたので、この数日観ていた。主演、菅野美穂さん。助演?、玉木宏さん。脇役の花形女性はヒロインと呼ぶけど、逆の場合ってなんていうんだろう。あとで調べよう。なんでも調べるのはオタクの性質って先日騒がれてた気がする。調べて頭良くなるなら良くない?と思う。まあ、無駄知識ばかりなんだけど。

菅野美穂さんや玉木宏さん以外にも、吉瀬美智子さんや吉田鋼太郎様なんかも出てたりする。美智子様、格好いい。まさに美智子様吉田鋼太郎様はもう見事な悪役で、どこまでも悪い奴で、一周回って清々しい。普段あんなに陽気なおっちゃんなのに、さすがのキャリア、名演技です。

2010年の秋ドラマとして放送されていたこのドラマを、私はリアルタイムでも観ていた。復讐のためだけに生きる野上と、そんな野上を愛してしまう真島。序盤は復讐の対象者を確実に追い詰め殺していく野上の執念と手口に魅入るばかり。そして徐々に恋愛要素も含まれていき、最後は…。最初の方は「おー、追い詰めた」って感じなんだけど、それも段々「うわあ…」みたいな死に方になってくる。原案と脚本と演出がどこまでも残酷。正直、誰も救われない。本当に誰も救われない。誰かひとりくらい救われても良くない?と思うのに、本当に誰一人として救われない。こんな話、なかなかないと思う。笑う要素なんてまるでない、暗くて辛くて悲しい物語。最終回の主題歌の入りが秀逸すぎて鳥肌モノ。色々考えさせられるドラマだと思うので、そういった意味ではオススメです。司法って何のために、誰のためにあるんだろう。野上が空想上の人物だとは、とても思えないのです。

暗くて辛い話といえば、先日ツイッターでも書いた中村文則さんの『その先の道に消える』もそうだった。著者のフルネームを打ち込んだ今、心臓がキュッとなるくらいまだダメージ残ってるので以下作者は文則さんと呼びます…

私は文則さんの話が好きで、これまでも何冊か読んでいる。人の内面とか闇の記述がうまいなあと思ってたけど、ここ数年の作品は「うまいなあ」どころではない。作品を重ねるごとに心の抉られ方がとてつもない。最新作は死ぬかと思った。本当に。何でこんなに、私の中核にダイレクトにナイフを刺してくるんだ。そしてそれだけ刃を突き立てておいて、あとがきでは「共に生きましょう」などと言われる。あまりにも酷い。多分この感情も含めて文則さんの作品なんだろう。まんまとハマってしまう。

観て、読んで、私は凹む。程度の差はあれど、高確率で辛い気持ちになる。それでも私は辛い話を摂取し続けるし、この先もやめない。自分と向き合うために。

 

ちなみにギルティの玉木さんはとっても色気があって、とっても最高。えへ。