【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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そんなに強くない。意外と臆病だ。いくつになっても。大人になっても。

アプリなんかでよく見かける恋愛コラムの中で、どうしても共感できないものがある。

「好きな人の連絡にはすぐに返したいもの!」

…嘘だ、そんなわけない。好きな人と連絡なんて、出来れば取りたくない。連絡を待っている間のドキドキする時間が嫌いだ。やっと返ってきた瞬間はとても嬉しいけれど、そのあとまた返す内容を考えなければならない。正確にいうと、「返してもらうための内容」だ。そして、やっとの思いで返すと、また連絡が返ってくるまでの間どきどきしなければいけない。無駄にスマホを握りしめてしまう。気を紛らわせるために映画を観ても、どこか上の空になってしまう。授業にも、仕事にも、生活にも、正直100%集中出来やしない。出来るわけない。

なんとも思っていない男の子に連絡を返す時の気軽さを分けてほしい。たった1割でも分けてもらうだけで、随分色んな事が楽になる気がする。なんとも思っていない男の子を飲みに誘う時の気軽さを分けてほしい。私が会いたくて会いたくてたまらないのは、好きな人なのに。私は臆病だ。好きな人の前限定で、好きな人すら見ていない場所限定で、とても、とても、臆病だ。

長すぎず、かといって短すぎず。好意が伝わりすぎず、けれど少しは感じてもらえるくらいの絶妙な匙加減。そして返してくれそうな内容。だけど、一方的に会話をずるずる続けようとしていることが垣間見えてはいけない。難しい。今まで書いてきたどんな作文より難しい課題。私が半日以上かけて作り上げた大作ともいえる3行半。けれどそれを、いとも簡単に返してしまう好きな人がちょっぴり憎い。好きな人には、私のような思い悩む時間はないんだろうな。好きな人は、私がいない生活を生きている。私の世界を、勝手にこんなにも侵略してくるくせに。ずるいと思う。

それでも返ってくることが嬉しい自分は馬鹿だと思う。私はまた頭を悩ませ、胸を締め付けながら、大作を書き上げなければならない。

 

 

 

 

 

 

って、今朝家の前を通りかかった野良猫が言ってました。