【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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2ヶ月前から差し押さえられた4月21日の夜。会うのはおそらく1年ぶり。相変わらず友達だとすら思えないのに永く続いてる大事な人。「最近の中では一番ギター弾くから、良かったらおいで」と言われたので私は二つ返事で快諾した。本当に私はこの子に対してちょろい。正直、当日箱の中に入る直前まで「数合わせかな」と思ってたら満員のお客さんがいて安心した。すごく失礼なこと思っちゃってごめんという気持ちになった。5分ほど遅刻してしまって、到着した頃にはもう始まっていた。漏れてきた音を聴いて「あ、あの子が弾いてる」とすぐ分かって少しだけ胸が高鳴った。あの子が人前でギターを弾き始めた頃からずっと見ている。粗かったり、苦しそうだったり、感情全部ぶつけていたり、そんな状態で弾いてることもあった。そんな頃も知っているので、気持ち良さそうにギターを弾いてる姿を見て安心した。実際にあの子のギターは心地よい。穏やかで、繊細で、なのにちょこちょこ自我を出してくるところが面白いと思う。サポートだろうとなんだろうと埋もれる気が全くない彼の底意地と芯の強さが私は好きだ。そして昨日は歴代彼のバンドで一番好きな時の衣装とほとんど同じ衣装を着ていて、それは反則だと思った。なんで私服で着ていいところをわざわざワイシャツ+ベストで来るのか。反則だ。こんな感じでたまに激甘の飴をくれるので上手いこと飼いならされてるなあと思う。終わってから交わした言葉は「おつかれ」「ありがと」だけだった。相変わらず言葉が少ない。けどそれでいいと思った。どうせ口では語らない人間同士だ。目と音楽だけで伝わることは山ほどある。

いい男になったなあと思った。この10年、もう離れようかと思うくらい一緒にいることが辛い時期もあったけど離れなくて正解だった。お互い歳も重ねて少しだけ角が取れた今、本当に思う。でもまだ中指を立てながら生きている。私たちは精神年齢がいつまでも高校生。この先もし離れるとしたら、その時はどちらかが相当なヘマをした時だろう。この先も続く。続けばいいと思う。ここまで来たなら、いっそどこまでも突き抜けてしまえばいい。11年目もよろしくね。

親愛なる友達未満恋人以上へ。

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