【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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早いもので転職してから1年が経った。気付けばカレンダーは9月。まだ日中の暑さはあるものの、朝晩は少し涼しさを感じるようになり季節が変わっていくのを感じる。前にも書いたと思うけど、こういう時期はMy Littele Loverさんの代表曲『Hello,Again~昔からある場所~』の中に出てくる「夜の間でさえ季節は変わって行く」という一節を思い出す。夜の間でさえ、季節は変わって行くのだ。

さて、転職してからのこの1年。私の人生の中でも本当に落ち着いた1年だったと思う。物騒なことを考えた記憶がほとんどない。今自分がいる場所に対して「平和だなあ」以外の感情がない。良いことなのだと思う。「平和すぎて飽きてきちゃった」と言ったら「贅沢な悩みだよ」と言われた。本当にそう思う。

そんなことを感じていた8月頭、コロナになった。正確には病院で診断を受けたわけではないので「なったと思う」なのだけれど、コロナになってまだ待期期間の人の目の前で飲んだら自分もそれらしい症状が出たのだから、多分あれはコロナだろう。今年2度目の40度の熱が出たし、しばらくコーヒー飲んだら納豆の味がしたし‥

 

夏季休暇に入る前に、健康診断の結果が返ってきた。『肺に異常陰影あり』とのことだった。ふむ。

小さい頃から呼吸器系の病気に何かしら罹ってきた。小児喘息は高校生くらいまで半年に1回は起こしてたし、小さい頃それで死にかけたこともあったらしいし、今もちょっとしたことで気管支炎出ちゃうし。直近で言えば今年の春には咽頭炎らしきものになった時に久しぶりに死ぬんじゃないかと思うレベルの咳が出たこともあった。煙草を1本も吸ったことがないわりには結構ぼろぼろの肺をしている自覚はある。肺の異常陰影は、硬くなった血管が映り込んだり、毛細血管が重なっていて影に見えたりすることがほとんどらしい。私もきっとそれだろうなと思いながら、一応お盆明けに近所の病院に行った。

再度レントゲンを撮ったところ、「確かにこの辺に影がありますね…」といわれた。あれ?その場でCTを撮ることが決定して、設備のある大きい病院を紹介してもらった。

しかし健康診断で肺の指摘をされて実際CTを撮ることになった人は一定数いるらしい。そのうちほとんどの人が「異常なし」とのことだった。きっと私もそれだろう。だって今元気だし、乾燥した時にちょっと咳き込むくらいで、他は全く咳も出ないし息苦しさもないし。

そんな感じで人生で初めてCTを撮った。大きい機械に身体が入っていって、周りは機械の音がずっとしてて、ちょっとわくわくした。CTを撮ったものの、その結果がいつ返ってくるのか分からず、撮影後数日して近所の病院に電話してみた。「結果はいつごろ聞きにいけばいいですか?」と。そしたら「今空いてるから今来てもらっていいですよ~」と。

軽い気持ちで結果を聞きに行ったら医師から言われたのは「肺のこのへん。これ、わかる?これねー毛細血管じゃなくて、腫瘍ですね」と。えーーーーー?????

肺腫瘍って、たしか95%以上が悪性で、肺がんはがんの中でも最も死亡率が高いって聞いたことあるんですけど、えーーーーーーーーー??????????肺に腫瘍ってマジ???????

さらに悪いことに、場所が心臓に近すぎるから変に細胞を取り出しての検査も出来ないとのこと。頭真っ白。「今から来てもらっていいですよ~」ってノリで来て聞かされる話じゃないだろ。結局、さらに大きい病院を紹介してもらうことになった。

そして最後にこう言われた。「ただ腫瘍の形からして、おそらく良性です。癌細胞っていうのはもっとトゲトゲしてるんだけど、あなたのこれはまん丸でしょ。だから大丈夫だと思う」って。それを先に言って!!!(改めて、大事な話は結論から話す必要を痛感した瞬間でした)

そこから大きい病院で診てもらうまでの数日間、本当に色んなことを考えた。息が出来なくなる苦しさは、これまでの喘息の中でよく知っている。けど喘息を乗り越えられたのは「数時間したら落ち着く」と知っていたからだ。あの苦しさがずっと続くなんてたまったもんじゃない。他にもいろいろ考えた。終活のことを真剣に考えた。「闘病生活が始まるにしても、このお洋服着て出かけたいな」と思いながら服を買って、「辛くてもこの本だけは読みきりたいな」と思いながら本を買った。初めての経験だった。

あと、「大丈夫だよ」と言われてもやっぱり悪いことばかり考えたり調べたりしてしまう。本当に大丈夫じゃないときはそんな素振りを周りに1ミリも出せない。そんな自分も再認識した。

で、結局大きい病院へ。担当してくださったのはかなりベテランの方(ちゃんと調べた)。長い待ち時間を経て、いざ診察室…。

結果は「うん、良性だと思う。自分がこのCT結果だったら安心する。一応時間空けてもう1回検査した方がいいけど、大丈夫です。忘れて生活していいよ」とのこと。あとは1回目の診察の時に言われた内容と大体同じ。形からして良性だろう、とのこと。久し振りに安心しすぎて脚に力が入らなくなって、涙が出そうになった。

健康ってありがたい。ありがたすぎて、そのことを忘れてしまいがちだけど、これほど失いかけた時に不安になるものはない。居なくなってからその有難さを感じるもの、は健康もそうだなと思った。ちゃんと大事にしよう。毎日、もう少しだけ大切に生きよう。飽きてきたとか言ってる場合じゃないんだよ。

 

そんな感じの今日この頃でした。
みなさまも健康診断はびっちり検査してもらってくださいね。

ではまた。