【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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私にしては珍しく何年一緒にいても飽きることなく純粋に素直に好きで一緒にいて落ち着く大学時代の友人がいる。出席番号も住んでる場所も近いから必然的に仲良くなったんだけど、なんというか彼女といるとすごく心地いい。ちょっと眠くなっても、ちょっと疲れても、ちゃんと伝えられる相手って私にとってはすごく貴重。それだけ仲良いし気も許してるのに唯一したことがない話があった。恋愛にまつわる話だった。

好きな人がいた時も彼氏がいた時も私がズタボロになって精神科送りになった時もその他色々も、一切言わなかったし見せなかった。多分大学時代、私に彼氏がいたことも知らない気がする。「睦月ちゃん、なんかないの?」って聞かれてもいついかなる時も「ん〜ない!」と答えてた。そんな彼女に何故か昨日12年分の話をしてしまった。聞かれてから答えたけど、多分こんなボリュームで話されるとは思わなかっただろう。ごめん、親友。

話終わって最初に彼女が言ったのは「よくそれだけのことを抱えてたね」だった。私はアハハと笑った。その次に「力になれることは少ないかもしれないけど、ちゃんと言ってね」「ひとりで苦しまないで」と。私は「ありがとう」と言った。

「ひとりで苦しまないで、もっと周りを頼って」と、私は今まで何人に言われただろう。「お前大丈夫か」と何人を心配させただろう。「睦月が泣けないなら私が泣くよ」と代わりに涙を流してくれた子もいた。反対に「睦月が怒れないなら私がぶん殴ってくる」と言ってくれた子もいた。私は大事な友達に何させてるんだろうと思った。ごめんね、上手く伝えられなくて。そんな顔してほしいわけじゃなかった。信用出来ないから隠してたんじゃなくて、自分にとって大事な話であればあるほど、そして相手が大事な人であればあるほど隠してしまう。隠すのが上手くてごめん。けど気付いてなかったから、私が話さなければ気付かれないままだったな。話してしまったことによって余計な荷物背負わせてしまったね、ごめんね。

生きるのも言葉にするのも難しい。適当なことはいくらでも言えるのにな。頑張ってきちんと言葉にしてみるけど、その度にもう喋らない方がいいんじゃないか、って思っちゃう。弱いな。あはは。