【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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以前から行きたかった場所に行ってきた。実に3年越し。思ったより遠くて、1日のほとんどを車の中で過ごした。レンタカーを借りてるのにタイムスケジュールとか一切せず「まあなんとかなる、ならなかったらその時」というノリで、片道4時間弱。「旅は道連れ」という言葉があるように、こういうスタンスを共有して楽しめる相手は貴重だと思う。事細かくスケジュールを決められるより、適当に行動する方が好きだ。起きたトラブルだって全部楽しみたい。思ったより遠かったし、シレッと人生5本の指に入るくらいの恐怖体験もしてきたし、ナビの案内に従ってたらすごい山道に入り込んで焦ったし、帰り間に合うかギリギリだったら友達が思ったより飛ばして「あー事故ったら100%死ぬー神様ー」と祈ったし、何より、思ったよりずっとずっと綺麗だった。道中大変だったけど、あの景色を見た瞬間「ああ、来てよかった」と思った。あとね、水がすごく綺麗だった。水が綺麗なところは良い。息を吸って、吐いて、身体の中になるべく沢山のマイナスイオンを入れてきた。本当に、素晴らしい場所でした。

自然の中にいる自分が好きだ。平日、仕事でスーツ着て、適当な笑顔を貼り付けてる自分は自分じゃない。「この美しいものだけを見て生きたい…」と50回思ったし内5回は口に出た。平坦なアスファルトを歩く足取りより、ゴツゴツした岩場や山を歩く足取りの方が遥かに軽い。山は美しい景色を沢山見せてくれるし、辛くて苦しい時は海に行って思いの丈を吐き出す。目を閉じて、深呼吸して、海と自分に問う。大体答えが返ってくる。来なかったら「まだ考えろ」ということなので大人しくジッと耐えて、考える。「生きることは闘うこと」と、昔言われたことがある。今でも胸に刻んでる言葉の一つ。闘いなので勝つこともあれば負けることもあるし、傷付くこともある。不思議なもので、負けることを危惧してれば負けるし、傷付くことを恐れてると無駄に傷付く、ということに気付いたのは割と大きくなってからだった。だから負けたり傷付いたりするのは仕方ないとして、ちゃんと回復出来る場所を見つけて、大事にしようと思う。山や海は、私にとってその代表格。多分、一生好きだと思う。

日本三大秘境の一つに足を踏み入れてしまったからにはあと二つも行かねばならない。何処なんだろう。ちなみにレンタカーは20時返却だったんだけど丁度に返した。当初オーバーする予定だったので御の字だと思う。さすが私たちだね〜とケラケラ笑いながら、再びアスファルトを踏みしめた。