【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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 普通に歩いているだけなのに、上からも横からも後ろからもぶん殴られるような人生だと思う。私の瞬発力と防御力が高くてよかったな、と思うけれど、本当に良かったんだろうか。そもそも、本当に高いんだろうか。もう、そのあたりもよく分からない。

やって良いことと悪いことの分別はついている。だからまだ私は自分をコントロールできていると思いたい。それでもどうしようもなく何かを傷付けたくなる時がある。人様に八つ当たりするのはお門違いにもほどがあるし、モノにあたるのも好きではない。自分を傷付けようにも、痕を残したくないから腕は切れないし、後遺症が怖くて薬も飲めない。なので自分の身体に矛先を向けるのもやめる。では、その矛先はどこに向かうのだろう。スッと消えてくれていると有難いが、どうもそうとは思えない今日この頃。まあどうにか、私は誰も、何も、私さえも傷付けずに生きている。本当に偉いと思う。「みんなそうだよ」と言われるかもしれないが、知らん。私はえらいの。

人を信じて、一度だけ報われたことがある。だから、私は人を信じることの大切さを知っている。その経験があるから、今もぎりぎり耐えているけれど、それにしてももうそろそろ限界だ。正直に言って、人を信じることが怖い。裏切られた!とまでは思わないけど、誰かに心を開いたところでどうせすべて無駄になる上に私が勝手に傷付くだけだ。私は防御力も高ければ痛みにも強い、方だと思う。でもイコール傷付かないというわけではなくて、自分のHPは確実に擦り減っていってる。せっかく、長い時間掛けてここまで回復したのに。感情も愛情も、正直曖昧だ。日中の記憶も最近はずっとぼんやりしている。人付き合いは別れることが前提なので「まあどうせそのうち終わる関係だし、所詮赤の他人だし。」と思いながら接している。本当に失礼なことだ。申し訳なくて仕方ないけれど、それでも怖い。

こんな自分が嫌で、嫌で、仕方なくて、どうにか変えたいと思っている。否、思ってきた。そのために死ぬ気で生きてきたと自負している。過去の私ではありえなかった様々なことを実現してきたのは、すべて努力のおかげだろう。努力したのは、他でもなく私自身だ。それでも、上から横から、思いがけないところから色んなものが襲ってくるので、いよいよ自分の人間性を疑い始めている。そっちの道に行ったってろくなことないよと、理性の自分が引き留めているのでまだ耐えているが、思考が完全にマイナスルートに行きそうで最近怖い。「まっとうに生きろ」と、私の師が言ってくれた言葉が自分を支えている。私と同じように、奇怪な出来事に巻き込まれながらもそれらをぶん殴って生きてる友人達の姿が、折れそうな膝をどうにか伸ばしてくれる。私は本当に色んな人に支えられながら生きているし、つくづく弱い人間だと思う。ひとりだったら、何も出来ない。

昨日と同じ今日は来ないし、今日と同じ明日も来ない。だから、過去にあったことはもう繰り返さない。色んな記憶が蘇って立ち止まりそうになるときがあるけれど、違う。あの頃と今とでは、何もかもが変わっている。変えるために、進む。私の思考はそこまで回っている。だから大丈夫だと思いたい。いつ大丈夫じゃなくなるかは分からないが。

こういう話も、本当は誰かにするのが1番良いというのは重々承知だけれど、誰かにこんな話をすることが怖いので、ここに書く。弱いまま人を前にすると、頼ってしまいそうで怖い。信じたいけれど信じられない、その間にいるのが苦しいから、早くどちらかに突き落としてほしい。