【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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つい先日始まったばかりの2月がもう20日になっていて驚く。夕方18時でも空がうっすら明るくなったり、家の中から見ると外の日差しがすっかり春めいていたり、外を歩くと紫外線を明確に感じたりする一方で、耳がちぎれそうなくらい寒い日だってある。1年の中で1番寒い時期が2月であることを思い出す。あと8日もすればまた月が替わるが、季節も世の中も少しは変わるだろうか。

先日久しぶりに話した。たっぷり2時間半くらい、本当に色んなことを話した。沢山伝えたし、伝えてもらった。好かれることと嫌われないことばかり考えていた昔に比べて、嫌われたり傷付けてしまうかもしれないけれどそれでも伝えたいことを伝えられるようになれたと思う。それだけでも、この膨大な月日にちゃんと意味はあったのだと思いたい。

結局私は自分の色眼鏡を通してでしか世界を見れていない。自分の直感がいいことは自負していて、そのせいもあって「自分の考え」という色眼鏡を物事を見すぎていた。そして、自分や世の中の基準が相手の基準とは限らない。100人中99人がAだと思うことを、Bだと思う残りの1人が目の前の人間である可能性がある。ちゃんと、ちゃんと、相手の声を聴くこと。分からないことは「それはどういうこと?どうしてそう思うの?」と聞いてもいいんだと思う。大切なのはちゃんと聴くこと。人と向き合うにあたって自分が足りていなかったことを教えてもらえた。本当に有難いこと。

一卵性双生児ですら同一の人間ではないのだから、生まれた場所も育ってきた環境も全然違う私たちは正真正銘の赤の他人なんだけれど、それにしたって違うところが多すぎると話す度に思う。目と耳が2つずつあって鼻と口が1つ、両手両足があって、それぞれ指は各5本。そのくらいしか共通点がないんじゃないかとすら思う。私は別にそこにがっかりはしていなくて、自分の視野の狭さとか考えの偏り方とかを再認識させてもらえるし、自分の常識に依らずに相手をきちんと見ることの大切さを痛感するばかりだ。あまりにも違うので沢山考える。どうやったら伝わるか、どうやったら相手のことをもっと理解できるか、それはそれはめちゃくちゃ考えるし悩む。生きてて他人のことでこんなに悩んだことある?というくらい悩む。それと同じくらい自分を振り返る。そういう自分はどうなんだ、自分はこういうところが出来ていないかも、気を付けよう。その連続だ。「悩まなくていいことで悩ませてしまっているんだろうね」と言われた。確かに悩まなくても生きていけることではあるかもしれないけど「悩むだけ無駄だった」とは全く思わない。全部悩んで良かった。考えてよかった。振り返ってよかった。そういう機会を沢山くれたことにとても感謝している。その気持ちを言葉で伝えられた。受け取ってくれた。よかった。ありがとう。

相手をちゃんと見てちゃんと聞くことは大切だけれど、すべてをそこに委ねてしまうのもなんか違うなと思っているので、引き続き自分の直感というか信念も大切にしながら関わっていけたらいいなと思う。その塩梅が、非常に難しいのだけれど。

謙虚であれ、素直であれ。そのことの大切さをこの数年でとても感じる。辞めた上司のことを私は全然終わった話に出来ていなくて、私がもっと謙虚さをもって日々を過ごし、あの時も素直に指摘を受け取っていたら、きっと全く違う今があったんだろうと、毎日考える。元上司の場合は結果的に伝え方が厳しすぎて私はノックダウンされてしまったんだけれど、本当に私のことを思って言ってくれていたのは、分かる。巷ではよく「『あなたのためを思って~』って言葉は全く役に立たないから無視しろ」なんて台詞が流行っているが、本当に私のことを思って言ってくれている言葉はきっと沢山ある(もちろん相手の自己満足のために使われている場合もあるけれど)。そういう言葉や伝えてくれた相手に対しては、たとえそれが何の役に立たなかったとしても私を思ってくれたことに対して素直に感謝したい。元上司に対しては、最後の最後に「言ってくれた言葉すべてを飲み込めるか分からないけれど、あなたが私のことを本当に思って言ってくれたことだけは分かる。だから、感謝しています」と伝えられていたから、未だに引きずってはいるものの早めに立ち上がって進めてはいるんだと思う。あの人が最後に教えてくれたことは、私にとって本当に大切なことだった。そのことを伝えられる日が、いつかまたくればいいなと思う。

ひとまずどういうわけか元上司の現雇い主と私は一緒に働いているので(本当にどういうこと?)、間接的にでも私が元気にやってることが伝わればいい。

考えることは、本当に尽きない。