思い出は綺麗なまま、ずっと自分の中に閉まっておくことが出来ればよかった。大切にしていたはずのそれらは、いつしか錆のようになってしまって、私にこびりついた。錆付かせてしまったのは私の弱さのせいだ。ごめんね。
大切にしていたはずだったのに、何が大切だったのかも分からなくなってしまって、それでもなんとなく残していた写真たちをごっそり削除した。枚数にして1700枚超。写真はあまり撮らない方だと思っていたけど、そんなことなかったらしい。
大事にすればするほど、自分の足かせになるような思い出ばかりだった。多分、大事にする方法が間違っていた。けれど大切なものを大切にする方法なんて人生で一度も習ったことがない。知らないことを自分なりに頑張った結果、反動が自分に来るなんてつくづく理不尽な世の中だと思う。
でもね、それでも大切だったよ。今でも大切だけど、私、もう行くね。今までありがとう。ずっと、私を支えてくれて、私を作り上げてくれて、本当にありがとう。いつの日か「付いた傷は、必死に生きてきた勲章だ」って胸を張って言える日が来たら、また一緒に笑いましょう。
今日から9月。深まりゆく秋という季節を、どうか貴方と深められたら。なんてね。
