【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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当分来ないと思っていた冬が、突然やってきた。クローゼットの中身を夏から冬に着替えた。閉まっていた毛布も出した。冬支度をしてみても、いまいち世間についていけない私は今日も明らかに薄着すぎる服装で会社に行った。電車で人々を観察しながら「今はこういう服を着る時期なのか」とぼんやり理解した。けれどきっとまた明日も私は服装で悩むのだろう。

冬が好きだ。私が生まれた季節。夏の、無理矢理にでも生きることを強いられる雰囲気が苦手だ。その点冬は別にぐったりしていても構わない、気がする。だから好き。アイスコーヒーは喉に沁みても心には沁みない。真白い息を見た時、私にもちゃんと体温があることを知る。人と一緒にいても暑いだけの季節から、人と一緒にいれば温かい季節になる。夜空は、いつだって綺麗。