【 razbliuto 】

孤独を愛せ、愛を貫け

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先日ライブに行った。私が大好きなバンドのツアーが今行われている。6月にも行ったのだがその時はちょうど怪我をした直後で大人しく観るしかなかったのだけれど、今回は怪我も治っていたので思う存分楽しむことが出来た。

今のバンドの前のバンドからとある方のことがずっと好きだったのだけれど、前バンドが解散する時かなり色々あって本当に辛そうな時期があったのを知っている。メジャーデビューした後から徐々にがたがたになっていって、最後は本当に見ているのも辛かった。メジャーデビューって喜ばしい出来事であるはずなのにこんなに悲しい思いをするくらいならずっとインディーズでよかったと、当時私も思った。*1あの解散ライブはきっとこの先も忘れることはないと思う。最後の最後まで最悪だった。解散してからも不振の期間が続いた。「あいつはもう終わった」という声も少なくなかった。好きな人が沢山叩かれているのは見ていても辛かった。

そこから組まれた今のバンドは、メンバー仲も良くてお互いにリスペクトし合っているのがこちらにも伝わってくるような、素晴らしい空気感を持ったバンドだ。私の好きな方以外にも過去に色々あった人たちが集まっているので余計にそういう空気感が生まれるのかもしれない。売上や動員でいえば前バンドとは比べ物にならないと思う。けど、それでも貴方が笑顔でいてくれることが私にとっての何よりの願いだと思う。ずっとこの時間が続きますようにと、祈るような気持ちで毎回ライブを観ている。

彼の作る音楽が好きだ。今のバンドの曲はメインはもう1人の人が作っていて、時々私の好きな人が作る。けれど、あのどこか危うくて切なくて孤独感と鋭さをもったメロディラインは作曲者が誰かを見なくてもイントロだけで分かる。私が勝手に思っているだけだが、創作というのは作り手の器を上回る作品は生まれないと思っている。かといって、実力が1000の人が10の作品を作ろうとするとそれはそれで何かいびつなものになると思っている。つまり周りが観て「良いな」と思うレベルのものは大体本人の器の大きさとイコールになる。だから、きっと彼本人もそれほどの色んなものを抱えて生きてるんだろうなと思うけど、普段はそういうのを一切出さないし、多分出せないでふにゃふにゃしてるところがとても愛おしいなと思う。音楽の中だけで行われる彼の呼吸がとても好きだ。私にとってもライブハウスは唯一何も気にせずに呼吸ができる場所だと思っている。だからこの先も、否が応でも好きでい続けるんだと思う。

楽しかったのでその気持ちを伝えたくなって久しぶりに物販でとんでもない額を使ってツーショットを撮った。こういうのも久しぶりだなと思って懐かしくて嬉しかった。ツーショなんて久しぶりだったので絶対覚えてないだろうなと思ったら「あれ、久しぶりじゃない?元気してた?」と言ってもらえて驚いた。相変わらずステージを降りたらちょっとコミュ障でふにゃふにゃで可愛かった。中学生の時、Youtube越しにずっと恋焦がれていた人に名前まで覚えてもらえてるなんて、不思議だなと思う。当時の私が知ったらきっとびっくりするだろうな。「ずっと誰よりも好きです。ずっと好きでいさせてくれてありがとうございます」と伝えてきた。

*1:メジャーとなると世間ウケをやはり気にしなければならない。ただでさえ世間ウケしないような音楽をやってきた人たちがいきなり世間ウケのために曲を作るとなると、作品にも人間関係にも影響が出てしまう。それが悪い方向に行ってしまっていたのだと思う。